harada

 現在北米に赴き、キャンナムリーグで奮闘中の「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。6月9日(現地時間)サセックスカウンティー・マイナーズとの開幕戦、昨年6勝10敗に終わった汚名を晴らすべく中島 輝士監督が栄えある先発マウンドに送り込んだのは、この男だった。
大体大浪商高から社会人の滋賀・高島ベースボールクラブを経て香川オリーブガイナーズ入団2年目を迎える原田 宥希・21歳。180センチの長身を折り曲げた右サイドハンドからの140キロ台ストレートとスライダーが冴え、5回1失点で勝利投手に輝くと、6月14日のニュージャージー・ジャッカルズ戦でも6回2失点の好投を演じ、チームの勝利に大きく貢献している。
では、大きな自信をつかみつつある異国で彼は今何を感じ、到達点のNPB入りへどんな課題を得つつあるのか?生の声を聴いた。

日本と北米。マウンドとボールは「全く違います」

――この北米遠征。2試合に先発して計11回を投げ1勝、自責点3・奪三振8・被安打7・与四死球3で防御率2.45(6月15日時点)と好調な原田投手ですが、自分ではこの2試合をどのように分析していますか?
原田 宥希投手(以下、原田) 僕は出発前の目標として、サイズの大きな打者に対してストレートやスライダーがどれだけ通用するかを掲げていました。
実際、2試合登板してみて思ったのは、ストレートでは空振りが取れない。キャンナムリーグの打者は振ってくる中でどうにかして当ててくる。さらにスライダーもボールの変化にも対応しきれずに変化量が小さくて、特に開幕戦では甘いところにいくケースが多かったです。本来であればもっとスライダーで空振りが取れたと僕は思っています。

――逆に北米遠征前のイメージと今、異なっている部分はありますか?
原田 セーフティーバントを仕掛けてくるのは意外でした。僕自身も1回、仕掛けられましたし。「日本でなく、こっちでもしてくるんやな」と思いました。

――ボールの話も少し出ましたが、日本とアメリカのグラウンド環境の違いについてはいかがですか?
原田 マウンドとボールは日本と全く違います。マウンドは掘ることができませんし、ボールも最初は指にかからなかったです。
でも、2試合目のニュージャージー・ジャッカルズ戦ではマウンドも「高いな」と思っていたわりに実際に投げてみると違和感はなかったですし、ボールも大丈夫でした。

――グラウンド外では「ホームステイ」という体現もありました。
原田 実際に行くまでは不安もあったんですが、ホームステイ先の皆さんが暖かく優しく迎えてくださったので、そこはよかったです。
ホストファミリーの皆さんは僕が先発した日に球場まで応援にも来てくださって。「抑えられたよかった。見にきてよかった」と言って頂きました。本当に嬉しい瞬間でした。