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チャンピオンシップ第2戦 香川が連勝し総合優勝に王手

2012/09/30

四国アイランドリーグplus2012チャンピオンシップ第2戦が、9月30日(日)愛媛県の坊っちゃんスタジアムで行われました。試合は2回、愛媛が高田のソロ本塁打で先制。香川も4回に、相手のミスで一死三塁とすると、桜井の中前安打で同点とします。その後は、両チーム先発の山野とデイビットが一歩も譲らぬ投手
戦となり、延長戦へと突入します。試合が動いたのは10回、香川は一死一・二塁からペレスの右前安打で勝ち越し。その裏の愛媛反撃を許さず、香川が勝利し総合優勝に王手をかけました。
第3戦は10月6日(土)に香川県のレクザムスタジアムで行われます。


9月30日(日)
坊っちゃんスタジアム
動員数:1320人
試合開始18:00
試合時間:3時間15分

香川OG
000|100|000|1【2】H11E0
愛媛MP
010|000|000|0【1】H6E1

香川OG
(投)山野-プルータ-酒井
(捕)星野

愛媛MP
(投)デイビット-河原
(捕)宏誓

本塁打
髙田(愛)


【香川オリーブガイナーズ・西田真二監督のコメント】
「先発の山野は立ち上がりいまひとつでしたが、立ち直り持ち味が出せた投球でした。お互い我慢の試合でしたが、早い段階で同点に追いつけたことが大きかったです。投手陣はプレータ、酒井が踏ん張り、役者がそろいました。チームも集中していますので、この状態で次の試合に臨みたいと思います。」

【愛媛マンダリンパイレーツ・星野おさむ監督のコメント】
「昨日よりいい試合をしようと臨み、デイビットもよく投げ、何とかしようという気持ちが見えた試合でしたが、こう言う試合を勝たないと香川に追いつけないです。2敗しもう後がない状態ですので、理屈ではなく精一杯頑張るだけです。ファンの皆さんに一生懸命な姿を見せるのが私たちの使命ですので、今シーズンやってきたことを香川で出したいと思います。」





≪アイランドリーグコラム≫
四国アイランドリーグplus 2012 リーグチャンピオンシップ 第2戦
2012.9.30. 愛媛マンダリンパイレーツ 1‐2 香川オリーブガイナーズ <坊っちゃんスタジアム> 観衆 1,320人
 
 
『越えて』
 
 一方的な展開となってしまった第1戦と違い、第2戦は両先発投手が好投を続けるクロスゲームとなった。16勝を挙げ、見事最多勝のタイトルを獲得した香川OG・山野恭介(20歳、広島カープ育成)と、最後まで最優秀防御率タイトルを争った愛媛MP・デイビットとが、互いに「さすが!」と思わせる投手戦を披露している。
 最初に食らった安打が右翼スタンドに突き刺さるソロ本塁打となり、マウンドで厳しい表情を見せたのは山野である。ロースコアになるであろうと予想された展開のなか、先に失点してしまったことで大きなダメージを受けた。
「(精神的に)デカいっス。最初、ライトフライかフェン直(フェンス直撃)と思ったんですよ。そしたらどんどんどんどん伸びて行くので…」
 四番、五番を計6球で打ち取り、気持ちが緩んだわけではない。初球に思い切って投げ込んで行ったど真ん中へのストレートを、見事弾き返した六番・高田泰輔(23歳、新田高)のバッティングの方が上回ったのだ。ゆっくりと三塁を回り、本塁へと還る高田に背中を向け続けていた。打球が吸い込まれて行った右翼スタンドに視線をやりながら、ホームインしたあとで捕手・星野雄大(23歳、伯和ビクトリーズ)の方を振り返り、右手で帽子のひさしをちょっとつまんでいる。「すいません…」の合図だ。
 痛い先制パンチではあった。だが、ここで崩れなかった。
「1点獲られたんですけど、粘り強く投げて。もう次の点を与えないように投げようと」
 4日前、公式戦最終戦となった四万十での高知FD戦ダブルヘッダーに、2試合とも中継ぎで登板している。腰を痛め、2イニングを投げて緊急降板となった対高知FD後期10回戦(9月12日、レクザム)以降、実戦登板はオリックスとの交流戦(9月24日、アークバリアBP志度)で1イニングを投げただけである。しかも連打を浴び、失点を許した。
 ダブルヘッダー第1試合の6回裏に登板し、連続四球から五番・迫留駿(20歳、京都フルカウンツ)にあわやスタンドインかと思わせる適時二塁打を浴びるなど、2失点でマウンドを降りている。第2試合が始まる前の短い休憩時間中、たまたまそばを通ったとき、不安そうな顔でこちらに話しかけてきた。
「球、行ってました? こんなの初めてです。全然わからない…」
 第2試合が始まると、不安を振り払うようにブルペンで投球練習を行っている。少し左肩の開きが速くなり過ぎていることを考慮し、セットポジション時から意識的に肩を中に入れる修正を行っている。第2試合の3回裏からマウンドに登り、3イニングを無安打、無失点で投げ終えた。
愛媛MPとの決戦を前に、フォームの修正はギリギリまで続いている。そして、光明が見えた。
「次の日(27日)の練習はブルペン入らなくて、その次の2日目(28日)の練習でつかんだんで、フォームを。あぁ、じゃあこれでいけるな、と思って」
 マウンドに登っても調子は良く、スタミナも切れなかった。7回裏、五番・橋本将(36歳、元横浜)を外角低めへのストレートで見逃し三振に切って獲ったあと、痛打を浴びた六番・高田も連続三振でねじ伏せている。
「あのストレートは今日イチでしたね。(高田を三振に獲った球は)フォークです。どこまでも行けてましたけど、自分はもうずっと気持ち切らずに、いつも通りに投げてましたね。あと1勝すれば優勝! とか気にせずに、いつも通りのピッチングができたら結果は付いてくると思うんで。任された回を投げて行くだけです」
 8回1失点、103球でマウンドを後続に譲った。次のホーム・レクザムでの登板に、すぐ意識を切り替えている。
 
 リーグ戦終盤、デイビットも決して調子が良かったわけではない。公式戦最後の登板となった対高知FD後期11回戦(9月23日、高知)で6失点(自責6)を喫し、最優秀防御率タイトル争いから転落した。
 あれから6日、リーグチャンピオンシップを控えての練習のなかで、少しフォームを修正している。星野おさむ監督が言う。
「シーズンの後半、ずーっと悪いところがあって。突貫工事にならない程度にここ1週間くらい、少~しフォーム矯正までいかないんだけど、足の使い方と身体の向きだけ調整してたので。それが現場でできるっていうことは、やっぱり能力があるなぁと」
 フォームの悪い箇所は修正できた。ただでさえ投げにくいと感じている柔らかすぎる日本のマウンドが、昨夜からの雨のおかげでさらに泥状になっている。スパイクを強く踏みつけて足場を固めようとする仕草が繰り返された。その度に大きく両手を上に挙げ、深く深呼吸することで落ち着きを取り戻そうとしていた。デイビットが言う。
「ちょっと気が散ったというか、集中できなかったけど。きのう半日、台風のせいで雨が降ったから、多分こうなるだろうな、ということは予想してたけどね。でも、やるしかない、と思ってたから。先週からちょっと体調がいいとは言えなかったんだけど、この1週間で調子を上げてきて、今日良かったので。今日までの課題が『いかに調子を取り戻すか』だったから」
 山野の被弾と同様、デイビットも痛いミスを犯している。4回表の失点は自らの一塁けん制悪送球が得点につながったものだ。だが、そこから非常に粘りある投球を見せている。
「あのけん制ミスがなかったら分からなかったし、完封できていたかもしれない」
初回から150㌔台をマークするなど、全力で飛ばしたツケは後半に出ている。8回表、四番・桜井に四球を与え、二死一、二塁のピンチを迎えたとき、萩原淳コーチと共に駆け寄ったマウンドで通訳の伊藤亮輔が気付いた。
「珍しいんですよ。彼から『疲れてきた…』って声が出たので。結構疲れてたんでしょうね」
 8回表に身体を直撃したライナー性の打球は、左手のグラブをかすめてベルトに当たった程度で、然程大きなダメージはなかった。疲労困憊のなかで8イニングを投げ切っている。132球は山野と比べて29球も多い。インタビューの最後に伊藤通訳が言った。
「萩原コーチが『良かった』って言うのは珍しいですね。『やればできるんじゃん!!』って」
 
 2戦を終え、香川OGが総合優勝に王手を掛けた。4年前の悔しい負けを知る高田が、帰り際につぶやく。
「一緒っスね、ホント…。またニーイチっスよ…」
 08年のリーグチャンピオンシップでも香川OGを相手に初戦0-9の大差で敗れ、第2戦を今日と同じ1‐2で落とし、連敗している。
インタビューのあとで星野監督が言っていた。
「プレーオフ、1勝もしてないらしいですね。今日聞いたんですけども」
08年頃と言えば、まだ坊っちゃんスタジアムでの試合となると固くなってしまい、普段通りのゲームができないことが多々あった。だが、もうあの頃と同じではない。
「あぁ、じゃあ伝統かぁ…。ただ、そこをホントにね。越えて行かないと、香川に追い着けないし。伝統で言ったら短い伝統かも分かんないけど、伝統があるのは香川なんで。やっぱ香川に追い着きたい! って気持ちです」
「挑戦者」として香川OGの壁を破る。08年のチームと同じ結果に終わってしまうのか。それともここから巻き返し、このチームの底力を見せるのか。
今季最初にチームスローガンとして掲げていたのは「超えて」である。
「僕的には『超えて』よりも『越えて』の、こっちの字の方なんだけどね」
 2月、星野監督がそんな話をしていたのを思い出す。香川OGを越え、そしてこれまでの歴史を越えられるか。勝負の行方は第3戦へと移る。
 
 
スポーツライター高田博史blog
『五人抜きジャンピングスロー』(http://tonythe12th.blog41.fc2.com/)より転載。





〔 チーム情報 〕
  • 愛媛マンダリンパイレーツ
  • 香川オリーブガイナース
  • 高知ファイティングドッグス
  • 徳島インディゴソックス
準加盟球団
  • 福岡球団
  • 宮崎球団