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 いまや四国アイランドリーグplusを代表する大型右腕といっても過言ではないだろう。兵庫・育英高からNOMOベースボールクラブ・関西メディカルスポーツ学院を経て、今年で高知ファイティングドッグス入団5年目を迎える松本 英明・26歳。180センチ84キロの堂々たる体格を利した重いストレートと、ストレートと同じ腕ふりから放つチェンジアップを武器に昨年は前期5勝無敗。通算でも過去最高成績の6勝6敗をあげた。
2016年前期も苦しいチーム状況にあっても先発ローテーションの柱で10試合に登板しリーグトップの68回を投げ5勝4敗・防御率2.12(リーグ6位)と貫禄の成績を残している松本。では、昨年に引き続き「四国アイランドリーグplus ALL STARS」の一員として先発を任される彼は、どんな想いをもって北米での戦いに挑んでいるのだろうか?

キャンナムリーグ強打者との「真剣勝負」で想うこと

――北米遠征も10試合(現地時間6月19日現在)が終わりました。松本投手は、ここまで2試合に先発登板し1勝1敗・防御率3.65の成績を残しています。そこで松本投手、最初に昨年の経験を踏まえ、まず今年北米遠征でやろうとしていることは?
松本 英明 投手(以下、松本) 昨年は調子がよい(前期5勝0敗)状態で挑んだところ、ストレートを痛打されました。ですので、今年はそのリベンジも兼ねてストレートをより活かすために、どんな配球をしていくかを課題として臨んでいます。
ここまでの2試合についてですが、1試合目は(サセックスカウンティー・マイナーズとの2戦目・先発5回で1失点。自責点0)は実はそんなに調子がよくなく、探りながらの投球でした。それでも一番自信のあるチェンジアップとスライダー交えながら、ストレートで空振りを取りにいきましたが、空振りは取れずボールの感覚を思い出しながらも抑えられたという感じです。

――2試合目はニュージャージー・ジャッカルズとの3試合目、7回を投げて7奪三振も2本塁打を浴びて負け投手。粘り強くは投げましたが、7回裏に相手の3番に勝ち越し3ランを食らいました。ここでの想いは?
松本 口惜しさ、勉強、いろいろな想いがあります。2回裏の1失点目は二死からの四球、そこから二塁打を打たれての失点が悔しいです。日本ではそんなことはないだけに。
 2失点目はストレートを逆方向にホームランされましたが、ここは外国人の力強さを感じつつ、思い切り投げつつ制球力も大事なことを勉強しました。3ランは四球絡みもありますが、だからこそキャンナムリーグトップクラスの打者と真剣勝負できたと前向きにとらえています。3球連続ストレートを投げられることも普段はないですし、自分のベストボールをあそこまで完璧に捉えられるのは四国アイランドリーグplusではない。勉強になりました。

――そんな勉強を重ねる中、四国アイランドリーグplusとキャンナムリーグとの違いをどこに感じますか?
松本 足を絡めて攻める部分については僕らの方が優れていると感じています。向こうは単純に攻めてくるので日本のようなけん制の数をいれなくても打者と向かい合えるスタイルですね。ロックランド・ボールダーズについては足が速い選手もいるので、ちょっと配球は変わってくると思いますが、自分がここまで投げた2試合に限ればそんな感想です。
 その一方でウチの2番を打っている四ツ谷 良輔(愛媛マンダリンパイレーツ)のように、バントができなくても進塁打を打てるタイプの打者もキャンナムリーグにはいない感じがします。日本の良さも北米のよさもそれぞれあると思います。