攻めの投球で「野球」を貫く

――この北米遠征が終われば後期、そしてドラフトと続いていきます。その到達点を目指すため、嘉数 勇人 投手が北米遠征を通じて変えていきたい部分はありますか?
嘉数 自分では正直、まだ全体的に上げないといけないと思っています。それを前提として後悔しないように投げる。この北米遠征でもそうですし、後期の福岡ソフトバンクホークス3軍相手にも逃げずに攻めの姿勢でいきたいです。

――ここは既存の価値観を壊す部分にも通じると思います。ということは嘉数 勇人の「KABUKI SPIRITS!」とは?
嘉数 北米に来てマウンドの硬さやボール・ロージンの違い、グラウンドの形や審判の判断などで特に感じた「ベースボール」と「野球」との違いの中で、野球を貫くこと。
向こうは向こうの「ベースボール」があると思いますが、そこに合わせず「野球」と変わらないプレーを。コントロールとマウンドさばきのよさ、トータルで勝てる投手。野手にも「守りやすい」「任せれば安心」と言われる選手になりたいです。

――では最後に到達点へ向けての力強い抱負をお願いします。
嘉数 チームの勝ちに向かってプレーすることが、最も自分のパフォーマンスを発揮する方法だと思いますので、日本に戻ったら「高知ファイティングドッグスの嘉数 勇人」として、選抜チームでは「四国アイランドリーグplusの嘉数 勇人」として、チームの勝ちに貢献していきたいですね。

 この地球に「ベースボール・野球」がかる限り、永遠に解けない比較対象論ともいうべき両者の違い。あえてそこにあがない、「野球」を貫いて勝利につなげる。これこそ日本ならではの「KABUKI SPIRITS!」といえるだろう。
その理解者・体現者というべき嘉数 勇人。ドラフトまで残された長そうで短い時間の中で、彼は彼にだけにしか見いだせない視点から、日本野球の価値観を破りにいこうとしている。