「一瞬の爆発力ある」スイングで、NPBへの扉を開く

――ところで、海外での試合経験はいままでありますか?今回、心配はありました?
林 海外は子どものころに観光でハワイに行ったくらい。長期間の海外ははじめてです。ただ、今回は1人ではないので……。
 とはいえ、食事は最初こそ大丈夫と思っていたのですが、だんだんご飯が恋しくなってきました。父が「白いご飯が好き」と言っていることの意味がこれまで分からなかったのですが、今になってよくわかります(笑)。
 ですから、ホームステイ先で日本食や弁当もだしてくれた日本人ホストファミリーの皆さんは本当にありがたかったです。納豆まで出してくださったときは涙が出ました。

――野球に話を戻しましょう。四国アイランドリーグplus1年目の林 敬宏外野手、シーズンが終わった時にどんな成績を残したいですか?
林 最終的に打率3割に(前期成績は115打数30安打1本塁打。12打点・盗塁3で打率.261)乗せたいという目標はあります。そして「あれだけ振って3割」という印象を残して、長打も加えたい。
 先ほど話したように、振ってくる打者は外野手にとっても脅威です。また、キャンナムリーグでは内野のダイヤモンド内も芝になっているので、強い打球でないとヒットが出ないんです。より振ることが必要だと思います。

――では最後に、自分の特徴「思いっきり振る」を生かしたうえで、NPBへの目標到達へ向けた力強い意気込みを。
林 「思いっきり振る、投げる、走る」はすべて一瞬のスピード感が大事、爆発力を出せるように変えていくトレーニングを続けながら、そこを後期までに一度仕上げていくようにしたいと思います。

 北米遠征に行かなければ、ひょっとして気づかなかったかもしれない。上の世界に行く上で破らなければいけない壁。その壁を破ることをむしろ楽しみとしている林 敬宏外野手の「思いっきり」理論は、後期四国の地でも必ず進化していくはず。9月、そして10月での「2016年・完成系」が今から楽しみでならない。