「常に見られている」意識を持って日々を過ごす

――その反面、キャンナムリーグの投手や打者を知ることで考えることも出てきているとは思いますが?
平間 そうでもないです。キャンナムリーグの投手は基本ストレートで押すので、そこに合わせて、変化球には反応でファウルにすればいい。それでも「ここは打てない」というコースに来たらそこは割り切ります。

――そんな20歳の平間 隼人内野手にとって、これから変えていきたい「KABUKI SPIRITS!」的な部分はありますか?
平間 実は先日の試合前、勝呂(壽統コーチ)さんにこんなことを聞かれたんです。「お前、遊撃手へのこだわりはあるか?」。僕としては試合に出られるなら、どこを守ってもいいと思っているので「それはないです」答えたんです。そうすると勝呂さんはこういってくれました。
「遊撃手は投手・捕手以外で一番守備の上手い選手がするポジション。だから、遊撃手を守ることにはこだわりを持った方がいい」と。これを聴いてなるほどと思いました。僕も高校時代はほとんど遊撃手だったので。そこでもっと遊撃手を極めていきたい想いが出てきました。
「平間が遊撃手を守らないとダメ」そういう雰囲気を出せる選手になりたいです。

――では最後に、目標到達へ向けた力強い意気込みを。
平間 ますは明確に数字が出てくる打率にこだわりつつ、犠打をできれば1回目で決めること。そこがNPBスカウトからも評価される部分だと思います。
それと守備では普通のゴロをさばくことは当たり前として、ランナー三塁時の捕手から投手への返球時カバーなど、細かいところをしっかりやっていく。ここも北米遠征で気づいた部分です。常に見られていることを意識してやっていきます!

 「いい才能はある。だけと、細かいところがあまりに雑なんだよね」。四国アイランドリーグplusの試合中、こんな話をNPBスカウトから聞くことは枚挙にいとまがない。そして、そこに気づかないまま無念のうちにユニフォームを脱ぐ選手のいかに多いことか。
ただ幸いにも、平間 隼人は北米の地でそこに気づくことができた。171センチ75キロの彼がここまでの好調を「一時のもの」に終わらせるか。それとも「継続的なもの」とできるか。秋に歓喜をつかむための戦いはすでに始まっている。